ゆらぐ蜉蝣文字
□第8章 風景とオルゴール
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8.4.20
. 春と修羅・初版本
59月はいきなり二つになり
60盲ひた黒い暈をつくつて光面を過ぎる雲の一群
雲が“月暈”☆を作っていますが、「盲ひた黒い暈[かさ]」は、月のまわりだけ、暗く色が変って見えている状態でしょうか。
☆(注) 正確には“内暈”(光環)。月のすぐ周りに、虹の環ができます。これは、“外暈”(月暈、日暈)と違って、氷晶ではなく、水滴による屈折なので、低空の雲でも起きます。
61 (しづまれしづまれ五間森
62 木をきられてもしづまるのだ)
この2行があるために、“賢治は五間ヶ森で伐採作業をした帰りだった”という説が出てくるのですが、
すぐ近くにある“岩頸”「松倉山」ではなく、あえて遠くにある「五間森」に呼びかけているのは、「五間森」が、強風の吹いて来る北西の方角にある目立つ山だからだと思います:地図:大沢温泉付近 地図:大沢温泉〜松原
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