* 短編小説 *

□ * ありふれた日常の中の幸せ *
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140文字で書くお題ったー 『貴方はギンヒツで『ありふれた日常の中の幸せ』をお題にして140文字SSを書いてください。』 をお借りしました。

もの凄く短文ですが、みきさんに捧げます。いつもありがとうございますv








目を覚ますと目の前に市丸の細い髪があった。

口にしたことはないものの、癖のある自分のとは違うサラサラの髪が気に入っている俺は横臥したまま指で摘む。
しかしするりと間をすり抜けて、捕まえておくのも難しい。そんなところもコイツっぽいな、と寂しく思った時だ。ふいに市丸が寝返りを打った。


「おはよ」
「…起きてたのか」
「今起きたとこや」


至近距離で微笑む市丸。寝てしまえば身長差なんか関係なくて、それ程見慣れていない水色の瞳がこそばゆい。そうでなくても昨夜が昨夜だったからまともに顔を見られないのに。


「…〜っ」
「ああ、あかんて」
「え、?わっ」


恥ずかしさに耐え切れず、背中を向けようとすれば腕の中に閉じ込められた。


「逃げんといて。な?」


しかも耳元で囁かれて、思わず小さくなる俺に市丸がくすりと笑うのが解った。

市丸は大人で、余裕で。こういうのにも慣れてるし、いつも振り回されてばかりでちょっと悔しい。
でもコイツの側でドキドキするのは悪くない…なんて、俺は市丸に気を許しすぎているのかもしれないな。


「日番谷さん?」


俯く俺の顔を見ようと市丸が覗き込んでくる。
それなりに付き合って、口づけもその先も、それこそこんな朝を何度も迎えているというのにこういう雰囲気はどうも慣れない。慣れない、けれど。


「…いちまる、」
「ん?」


ドキドキも気恥ずかしさも、それからこの温もりも大切だと思ってるから。


「その…、おは、よう」
「…ぷっ」


何故か噴き出されてしまって一気に恥ずかしさが襲ってくる。
大事だと思ってるからこそ俺なりに誠実に向き合おうとしてるのに…!

何だか腹が立ってきて市丸の胸元をどんと叩く。


「わ、笑うなっ」
「だって…なぁ?」
「なぁじゃねぇ!」
「あはは!堪忍。日番谷さんは可愛えねぇ」
「な…っ!もういい!放せ!」
「いやー」


けらけら笑う市丸。いつの間にか振り回されて怒ってる俺。
ああ今日も変わらねぇな、と何だかんだ幸せを感じる朝のひと時。






-オワリ-







みきさん、とてつもなくお返事が遅れてしまい申し訳ありません;
お忙しい中、いつも気にかけて下さってありがとうございます!そんなみきさんに感謝をこめて…。

(短文乱文申し訳ありません;)




ご来訪ありがとうございました!

2014/6/3 ユキ☆


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