【ぎんひつ】
恋人同士?・やや甘?・市丸視点
* ひやりと愛しい銀色の *
息を吐けば綿雲が空に溶ける夜。
湯たんぽのように火照った身体で暖を取る市丸を、少年は寝返り一つで引き剥がした。
「つれへんなぁ」
敷布の上に出来た小さな窪みを撫でながら、寂しそうに青年は言う。
それにあからさまに舌打って、日番谷は捲れた布団を肩まで上げた。
「てめぇの気まぐれに付き合ってやったんだ。もう十分だろ」
「気まぐれってヒドくない?ボクはいつでも本気やし」
「ああそうかよ」
「もー…。だったらキミは、好きでもない相手とこういうコトしとるん?」
拗ねたフリを装って、素肌の背中をちょんとつつく。
意地悪な問いにか指の動きか、日番谷は嫌そうに手で払った。
良くも悪くも真面目な少年にとって、遊びの関係はありえない。
しかしこの流れ上素直に甘える性格ではないから、日番谷の答えはひとつしかなかった。
困らせたいだけの市丸に気付いてだろう。少年は変わらぬ様子で口を開く。
「いいや。多分お前と同じ気持ちだぜ」
「…ほんなら、」
意外な回答に、耳を疑いつつも市丸は続ける。
「ボクのコト、好きってことなん?」
「いや別に」
「え、」
初めての告白かと緊張した市丸とは正反対に、少年は背中を向けたまま好物の菓子をつまむような気軽さで、
「お前と同じ。所詮本気のアソビだろ」
そう笑って布団を引いた。
まったく…。
素直じゃないと言うか面白いというか。
これだからこの少年との関係は、日を増すごとに楽しくなる。
いつか自分に縋ってくるぐらい溺れさせてみたい気もするが、それはきっとつまらないから。
ひやりと愛しい銀色の髪に口付けて、ほなもう少し遊んで貰いますかと市丸は強かな相手との距離を詰めた。
-オワリ-
いつも御来訪ありがとうございます!
久々の更新なのに短編&強か(したたか)な2人ですみません;
うちのギンヒツは特別険悪ってワケじゃないんですよ(当たり前か・笑)
ただイチャラブよりも気の抜けない関係を書きたい時が多いのです。
甘い二人は他サイト様で堪能させて頂いてるからかもねv
タイトルは今回も『確かに恋だった』様よりお借りしました(ありがとうございます!)
[ひやりと愛しい銀色の]って、ギンヒツの為に書いてくれたのかと思ったよ!(笑)
ご来訪ありがとうございます^^
2010/2/26 ユキ☆
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