コードギアス
□君の願い
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『ルルーシュどうしても僕なのか。』
ゼロレクイエムの全てを聞き終えたスザクが問い掛けた。
『あぁ。呪われた皇子を殺すのはお前でなければいけない。』
『どうして?!君を殺してくれる人なら他にもいるだろ?』
ルルーシュは鼻で少し笑うと旧友であり今は最も信頼する男を見つめた。
『ならば逆に聞こう。なぜお前は拒む?』
『決まってるじゃないか。君だからだよルルーシュ。』
『銃を向けあったのにか?それに俺を殺せばユフィーの敵も打てるんだぞ?』
『ユフィーの…しかしあの頃とは気持ちが違う!!』
だんだん熱がこもるスザクにルルーシュはため息をつくとさっきとは違いナナリーにしか向けないようなやわらかで温かい笑みを向けた。
『スザク。』
『なんだ!?』
名前を呼ぶと同時にスザクを後ろから引き寄せる。反動でふらついたスザクはそのまま抱き着かれる形になる。
『ちょっ…ルルーシュ離れろよ!!』
『いやだね。スザク良いから聞け。』
少し淋しげなルルーシュの声にジタバタしていたスザクも大人しくなる。
『お前がいいんだよ。』
『は?ルルーシュ何言って…』
『俺は誰かに殺されるのはまっぴらごめんだ。ただ…一人だけ例外がいる。』
『例……外?』
『あぁ。それがお前なんだ。』
『それは…ユフィー関係か。』
『そうじゃない!!安心出来るから…俺は消えなければいけない。でも怖い。だったら安心出来る人の手で死にたい。』
普段と違うルルーシュにスザクも動揺を隠せない。
『ルルーシュ……。』
『頼むスザク…俺を殺してくれ。』
スザクはしばらく黙ると己の前で組まれているルルーシュの手に手を重ねると尋ねた。
『それが君の願いか?』
『そうだ。』
『…分かった。その願いナイトオブゼロの名にかけて叶えよう。』
そういうとスザクわ体を反転させ薄い紫の瞳を見つめた。
『約束するよルルーシュ。』
溢れ出す涙に気付かぬふりをしてスザクは続ける。
『僕以外の誰にも君を殺させない。君の願いは僕が必ず叶える。』
『あぁ…やっぱりお前が居てくれてよかった。』
もう一度スザクを力強く抱きしめるとその胸でせききったようにスザクは泣き出した。
その涙は…二人の友情とそして愛の分だけ流れていた。
END 08.10.17
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