元拍手庫

□『おでん屋源泉劇場』
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『おでん屋源泉劇場』
(咎狗)






グエン
「上司の、考えてることがわからないんですっ」

源泉
「そうかそうか…ほら、ちくわまけてやる」

グエン
「…っ…ありがとうございます!」








源泉
「ま、乾杯するか…」

グエン
「給料日前ですが…」

源泉
「まあまあ( ´∀`)」


リン
「あ、おっさんじゃ〜ん!なになに?またボってんの?」

グエン
「!!」(ボッタクリ!?)

源泉
「なんだリンか…美味いぞおでん食うか?」

リン
「俺今金欠なの!!あ、そこのにーさんが奢ってくれるなら話は別だけど!」

源泉
「客に奢らすんじゃねぇ、よ!!(リンの頭を軽く叩く)」

リン
「いってえ〜!!じゃあじゃあおっさんの奢りってことでよろしく!ふん!」

源泉
「おいちゃんが何のために屋台開いてると思ってんだよ…」

リン
「いいじゃんいいじゃん。じゃあ俺まず大根とー卵!!」

源泉
「しょうがねーな…」

リン
「やった!……そういえばさっきアキラみたいな人見た気がする」

源泉
「じゃあ近くにシキがいるかもな」

リン
「…シキ…か。大丈夫、俺の中で決着はもう着いたんだ。今なら受け入れられる
…」

グエン
「?(゜Д゜)」

源泉
「そうか…良かったな…ほら、大根奢りだ」

リン
「おっさん………」

源泉
「早く食べねーと冷めるぞ」

リン
「うん、いっただーきまーす!」

グエン
「ま、マスター(?)、芋焼酎おかわり……」

源泉
「(あんた、まだいたのか…)…ほらよ」

グエン
「…ありが……!?」

リン
「おにーさん!!!まだいたの!?」

グエン
「………っう、か、勘定頼む……」

源泉
「また来いよー」

グエン
「二度とくるか馬鹿ーああうわあああん」

リン
「馬鹿だってさ」

源泉
「何でだよ!?おいちゃん、何か悪いことしたか?」

リン
「……まあいいじゃん。大根おかわりー」

源泉
「おま!!調子に乗るな!!!」

リン
「えーケチーぶーおっさーん」

源泉
「働け、少年よ」

リン
「俺まだ未成年だからいーの!おっさんこそいたいけな少年に払わせる気!?」

源泉
「何処がいたいけなーだよ…お前のサービスとやらで客の一人や二人連れてこい
よ」

リン
「やだー、確かにしなびたおっさんよりピチピチの俺の方が良いのは分かるけど
さ!」

源泉
「これだから餓鬼は…大人のかっこよさがあるんだよ」

リン
「どっこが〜?おっさんに格好良さがあったらビトロはどうなんの」

源泉
「変態と俺を一緒にしないでくれ」

リン
「ふんっだ!おっさんおかわりいー」

源泉
「店のモン、食い尽くす気か…」

リン
「本望でしょ?」





その頃のシキアキ

アキラ
「シキ、おでん食べに行かないか」

シキ
「好きにすればいい」



源泉
「利益が無きゃ意味がねーだろ…」

リン
「おっさんは客の笑顔が利益ですとか言わないんだね〜」



アキラ
「あ、おっさん久しぶり」
源泉
「お、アキラじゃねーか」

リン
「アッキラー久しぶりー☆」

アキラ
「ああ」

源泉
「お前さんはちゃんと払ってくれるよな」

アキラ
「?」

シキ
「貴様馬鹿にしているのか?」

リン
「!!!!!!」

源泉
「こりゃ意外だな…」

シキ
「何が言いたい」

アキラ
「…別にいいだろ。おっさん、卵」

源泉
「あいよ。シキはどーすんだ?」

シキ
「俺はいらん」

アキラ
「アンタもなんか食えよ」

源泉
「…リン?」

リン
「あ…いや、なんでもない。おっさん、俺帰るや」

源泉
「リン!?!?」

シキ
「……フン、文句があるなら言えばいいだろう」

アキラ
「シキ!!」

リン
「…っ…別に」

シキ
「まだ食い終わってないだろう。席を立つな」

源泉
(お前さん行儀いいな…)

リン
「…っるさいな!!!!関係ないだろ!!!!!!」

アキラ
「止めろよ、二人とも…」

シキ
「……フン」

リン
「…帰る」

源泉
「おい、リン!!」

リン
「おっさん、今度埋め合わせするから。アキラ、またね」

源泉
「あいつも気難しい年頃だな…」

アキラ
「アンタ、何であんなに仲悪いんだよ」

シキ
「………黙って食べていろ」

アキラ
「……俺はアンタのこと知りたいのに……………あ、おっさん昆布。」

源泉
「ほらよ(このタイミングでか…)」

アキラ
「ほら、シキ食えよ」

シキ
「いらん」

アキラ
「食わないといつか倒れるぞ」

シキ
「心配しているのか?」

アキラ
「…っ、そ、そういうわけじゃ、なくて…」

シキ
「じゃあ、何故だ?」

アキラ
「あ、アンタが倒れたら、困るから………」

源泉
「………(-。-)y-゜゜゜」

シキ
「何故だ?」

アキラ
「……もういいだろう!いいから食えよ!!」

源泉
「(-。-)y-゜゜゜」

シキ
「フン」

源泉
「(-。-)y-゜゜゜」

アキラ
「食えばもっと食欲湧くくらい美味いから……。おっさんタコ!」

源泉
「…あ?あぁ…タコなはいよ」

アキラ
「………ぇ……………………シキ!アンタはなに食いたい!」

シキ
「何でも構わん」

アキラ
「なら…おっさん、大根」

源泉
「勝手に取っていってくれ(俺って虚しいな…)」

アキラ
「ありがとう、おっさん(アキラ超笑顔)。はい、シキ」


源泉、屋台の裏で煙草


源泉
「……お前さん達、余所でやってくれ……」

シキアキ
「「??」」

源泉
「……」

シキ
「…うまいな」

アキラ
「そうだな(超笑顔)」


源泉
「………
今夜も星が綺麗だなー」

アキラ
「雲がない分冷えるな…」

シキ
「そうだな…」

アキラ
「今日はもう帰るか…風邪引くのも嫌だしな」

シキ
「風邪を引いても俺は面倒看んぞ」

アキラ
「わかってるよ…おっさん勘定」

〜勘定終了〜

アキラ
「寒い…」

シキ
「……(アキラを見る)」

アキラ
「…なに?」

シキ
「…歩くのが遅いんだ貴様は…」

(おててをつなぎましょー)

アキラ
「…っ…////


アンタの手、冷たい…」

シキ
「フン…では、振り解けばいいだろ」

アキラ
「いや、このままで、このままでいい………///」

シキ
「フン」

寒空の下、二人の心とお腹だけは、不思議と暖かかったのでした。






源泉
「ぶわっくしゅおんっ………あ゛ー風邪引いたか?」




おっしまい☆

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