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□〜Happy・Halloween〜
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〜Happy・Halloween〜
「秋彦×美咲」編


「何してるの・・・?」
「お帰り、美咲。」
バイトからの帰宅。美咲が玄関を開け、無駄に広いリビングを覗くと、そこはいつもの家具の色とも、この家の主の趣味とも違う、オレンジと黒に飾り立てられていた。
「見て分かるだろう。今日は10月31日。ハロウィンだ。」
そう言うこの家の家主・宇佐見秋彦は自らもいつものスーツではなく黒いマントのようなモノを羽織っている。(ちらりと見えたそのマントの下はいつものスーツのようだった)
「あーそっか。・・・で、何をしたいの・・・?」
コウモリやカボチャで統一された柄と小物を見回す。するとキッチンが目に入ったのだ。
「カボチャのケーキ。」
「カボチャのケーキィ・・・?」
そう称される物質は、全体的になにやら黒く(恐らくコゲだ)所々にオレンジ色が残ってはいるが、とてもカボチャを材料としているとは思えない。むしろ、コウモリが材料とされているようだ、美咲は思った。
「温度を上げたら早く出来るかと思ったが、うまくいかなくてな。」
「もう、言ってくれれば俺が作るのに。」
「お前に作ってもらったら、折角、驚かそうと思っていたのが水の泡じゃないか。」
「え?」
この飾り付けや、慣れないケーキ(という名の有害物質)は自分のために?
そう思うと美咲は次に何を言えばいいのか分からなくなってしまい、秋彦の反応を確かめるような笑顔をまじまじと見つめてしまった。
「あ、えと・・・俺のために・・・?」
答える代わりに、秋彦は見上げてくる美咲を抱きしめた。
「最近、仕事ばかりでろくにお前と話せなかったからな。少しでも美咲が楽しんでくれたらと思ったんだが・・・。」
想像していた反応と、美咲の反応が違ったためか、不安げに語尾が弱くなっていく。それに気づいた美咲は、慌てて答えた。
「あ、ありがとう・・・ウサギさん。」
何故か気恥ずかしくて、小さな声で告げると抱きしめていた手が緩み、嬉しそうににっこりと笑顔が向けられた。
「美咲。」
低く囁かれる声に、持ち上げられた顎もなんとも思わず、そのまま唇を重ねる。
触れるだけのキスはすぐに終わり、そんな短い間のことでも恥ずかしく、急いで話題を振った。
「あ、お、俺、ハロウィンって初めてかも!」
「そうなのか?」
「うん。日本の行事じゃないしね、あんまりやる人も少ないんじゃないかなぁ。」
目をそらして話す。今の出来事を流してしまおうと思って振った話題だったが、秋彦はとんでもないことを口にした。
「それなら俺が教えてやる。ハロウィンと言えば・・・」
「へ?」
「キスしてくれないと、イタズラするぞ?」
「〜〜〜ッ///!? い、いましたじゃんかっ!!」
突然の発言に、耳まで紅くなっていくのが自分でも分かる。逃げようともがくと、逆に後ろから抱きしめられる状態でますます腕の力が強まった。
「お前からじゃないだろう。キスか、イタズラか。」
「お菓子かイタズラじゃないの!?」
「それは子供だろう。」
「〜〜〜〜っ///」
何も言えずに黙っていると、今度は耳元で囁いてきた。
「イタズラの方がいいみたいだな。」
「え、ちょっ!?」
そして、美咲は何も抵抗できないまま、寝室へと連れ込まれてしまったのだった。

〜END〜


この後はわたし、書けないというか、まだ15歳のわたしが書くのはどうかと思うので、皆様でご想像下さいませ♪
続きを書いた!と言う方がいらっしゃれば、ご報告下されば桜宮が伺いますので・・・☆
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