*本棚*

□○君と、ずっといつまでも●
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「宮城! 出来た。」
「ぅん? ふぁ……」
嬉しそうな忍の声で起こされる。
軽く欠伸をしながら時計を横目で確認すると、寝ていた時間は1時間も経っていないようだった。
「ほら! 今回はちゃんと出来てる!」
そう言って忍がテーブルに置かれた小さめの鍋の蓋を開ける。
中には湯気の立つしっかりとしたお粥が入っていた。
「なんだ、ちゃんと出来てるじゃないか。」
まさかここまでまともな病人向けの食べ物が出てくるとは思っておらず、宮城も思わず安堵から顔がほころぶ。
お椀とスプーンを手に取り、少し鍋からすくい上げる。底の方には僅かに焦げはあるものの、それもいつもの忍の料理から考えれば上出来だろう。
冷ましてから口に入れると、優しい温度が身体を温めた。
「どう……?」
心配そうに忍が訪ねる。宮城は空腹から食べる手を休めずに「ん。上出来だな。」と答えた。
宮城が食べ進めるのを見つめながら、忍がぽつりと口を開いた。
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