ギアス小説
□ご注文をどうぞ♪
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時は放課後。俺はいつものように少し遅れて生徒会室に向かった。でなければあいつらは仕事を全て俺に押し付けて、自分ではやろうとしないのだ。
こっそりと一つ溜息を吐くと、不本意ながらも生徒会室の扉の前に着いた。
さて、今日も忙しくなるぞ。
気を持ち直して扉を開ける。どれほど仕事を溜め込んでいるか見物だな、と第三者の意見が頭を掠めるが、第三者であれるならばどれほど楽か、と俺はまた溜息を吐いてしまった。
だが将に、扉が開き俺が溜息を吐いた瞬間だった。俺の顔面目掛けて紙の束が容赦なく飛んで来たのは!
「ほわぁぁあ!?何なんだ!いった…」
『ルルーシュ、誕生日おめでとう!!』
驚いた拍子に瞑ってしまった目を開くと、そこにはいつも仕事を押し付けてくる生徒会メンバーがクラッカーをもって笑っていた。
…クラッカー?
視界の端にある色鮮やかな紙切れに目をやると、ああなるほど理解できた。
俺は頭から垂れ下がっているカラーテープを引きずり下ろした。
足元を見ると絡まり合っている大量のテープが目に入った。
−−誰が掃除するんだ?
何でこんなことが起こっているのかわからず俺がぼうっと床を眺めていると、周りにみんなが集まってきた。
「なにぼーっとしてるのルル?」
「なになに〜?ルルちゃん私たちから祝われて感動しちゃったのぉ〜?」
「祝う…あぁ、もうそんな時期か」
そうか。だから今日はやけに呼び出しが多かったのか。毎回「ルルーシュ君……おめでとう///」と相手に言われたが、適当に対応していたため誕生日だと気付かなかった。
「そんな時期って…自分の誕生日忘れるなんて信じらんねー」
「誰かさんたちのおかげで最近忙しかったからな」
『どきっ…;』
厭味たらしく言うと全員が反応を示した。まったくこいつらは…
「ま、まぁまぁ!そんなわけで、いつも頑張ってくれてるルルーシュ君に私たちからプレゼントよ〜っ!!」
「どういうわけですか、まったく…で?何です?プレゼントって…」
「よっくぞ聞いてくれましたっ!!」
「面倒なものなら要りませんよ」
「ふっふーん!今回はすっごいんだからぁ〜ねージノ?」
「あぁ!アレはホント凄い!!ルルーシュにとっては卒倒ものだっ!」
「そんなものがこの世に…」
「ある。ジノが言ったこと、間違ってない」
「アーニャ…」
疑う俺を皆がニヤニヤしながら見てくる。何だ、いったい何が出てくるんだ…??
ニヤニヤしたままのメンバーを一人ひとり確認していると、ふと、ある人物がいないことに気付いた。
「ところで…スザクはどこですか?もしかして軍務…」
「Don't worry!あちらにいますわよ〜v さぁ!カモーン、スザクっ!!」
……………
「おぃ、呼ばれてるぞスザク」
「で、でもっ!やっぱりこんな恰好恥ずかしぃ…///」
「あーっもうっ!!日本男児ならなら覚悟を決めなさいよ!!」
「い、今は関係ないだろ…」
少し離れた所からコソコソと言い合う声が聞こえる。どうやら扉を隔てた向こう側に居るようだ。
「うじうじしてないで堂々と行けぇーーっ!」
「や、お、押すなよっ!いーやーだぁーっ!!///」
「自信を持てスザク。今のお前は皆が認めるくらい可愛い。ルルーシュなら卒倒ものだ」
ん?どこかで聞いた台詞だな…
声がする方を見ていると、扉が少し開かれたが、またすぐに閉められた。閉められる瞬間、少しだがオレンジ色の布地が見え隠れした。
「う、嬉しくないよっ///って!カレン!?」
「こうなったら力ずくよっ!C.C.!!アンタはそっちの腕を!」
「やれやれ…許せ、スザク」
「嘘だろ!?あっ、こらっ!!」
急に声が大きくなったと思うと、カレンとC.C.が現れた。その間には両脇を抱えられた鷲色の髪の…女?
「待たせたわね。ほら、ちゃんと前向きなさいって」
「よかったなルルーシュ。皆がおまえの趣味を理解していてくれて」
カレンが促すと、俯いていた少女はスカートをギュッと握って、意を決したかのように顔を上げた。
「……スザ、ク?」
「っ……」
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