ギアス小説

□彼の独占欲は俺より上
1ページ/2ページ



ゼロレクイエムから2ヶ月が経った。




あの夜から僕は毎晩泣き続けていた。時間は過ぎるけど、寂しさは募るばかりで。



今日もいつもと変わらない夜…のはずだった。




「ルルーシュ…会いたい、よ…っ!!」
「久しぶりだな、スザク」
「っ!?」


後ろから急に声がして驚きながら振り向くと、そこには…



「ルルーシュ!!??」
「あぁ…ただいま、スザク」


僕の名前を呼びながら微笑む愛おしい人。
僕は無意識のうちに彼に抱きついた。


「ルルーシュ!!本当に…??」
「あぁ…俺だよ」
「ルルーシュ!ルルーシュ…っ!!」
「スザク…会いたかった」

泣きじゃくる僕をルルーシュはさらに強く抱き締めてくれる。


「なに、してたんだよ…?僕、俺がどれだけ寂しかったと!!」
「すまない…シャルルと追いかけっこしていたら、いつの間にかこんなに時が経ってしまっていた」
「…は?」


僕はルルーシュの答えに気の抜けた声をあげてしまった。




今、彼はなんと言ったか。



「ルルーシュ。今、皇帝陛下と追いかけっこって…」「ああ。あいつのコードを受け取りに行ったんだが、あいつ、こざかしく逃げやがってな」
「…それで?」
「追いかけ回していたらいつの間にかこんなにも時間が経ってしまっていた」
「……」


呆れる。年のいっているはずの親父より若い息子の方が体力がないなんて…悲しすぎる。君の体力の無さには同情さえ湧いてくるよ。


でも、僕にはルルーシュに同情する以上に、心に渦巻く気持ちがあった。
それは…



「……君は、そんなことで、これだけの長い月日を過ごしたというのか…?」
「スザク?」
「僕が…俺が、毎夜毎夜、流してきた涙はなんだったって言うんだ!!?」
「す、スザク??」
「俺だけが君のことを想ってたって言うのか!?君は俺のことなんか忘れて皇帝と追いかけっこしていたってことなのか!!?ふざけるな!!俺が!俺がどれだけ我慢してこの世界にいたとっ!!」
「お、落ち着けスザク!」


ルルーシュが俺を落ち着かせようとしているが、僕の想いは止まらない。


「だいたい君の体力の無さには本当に呆れるよ。今までなにしてたわけ?もっと体力つけたらどうだい??」
「なっ!?お前…ッ!人が気にしていることをよくもずけずけと…!!」
「本当のことだろ。はっ!よくそんなので俺の上に乗っていられるな。そんなミジンコのような体力で俺を満足させられると思うなっ!!」
「お、お前ぇぇぇえ!!いつもそんなこと思ってたのか!?」
「さぁ?どうなんだろうね!?」
「ほぅ…なら試すか?今の俺じゃあ、お前を満足させられないかどうか」
「望むところだ。フン…精々俺よりも早くばてない様に頑張るんだな、る・る・ぅ・しゅ・君」
「お前…後悔しても知らないぞ…?」
「させてみろよ。出来るなら、な?」


俺は挑戦的な態度を変えない。


「あ。もちろん『自分』の力で、だぞ?」
「ふっ…当然だ。おれのテクでお前を嫌というほど満足させてやる!!」
「フフ…期待してるよ?俺の旦那様」
「だ、旦那!?」
「なに?違うの?まさか君、俺をほっといて他の奴と…」
「何を言い出すんだスザク!俺にはお前だけだ!!」


ルルーシュは赤面したかと思うとすぐに俺の言葉に慌て始めた。



あ…なんか可愛い。



「…当たり前だ。俺以外に、お前のことをわかる奴なんていないからな」
「スザク…」
「それに、もしルルーシュが浮気なんてしたら…




 俺が君を犯してやるから」
「…はい??」
「覚悟してね☆…逃がさないから」




君は僕だけの王子様。
君は俺だけの旦那様。
たとえ逆になったとしても、君が僕・俺のものであればいいんだ。


まぁ、上になる気は無いんだけどね。



彼の独占欲は俺より上



END.

→あとがき
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ