よく耳にする自律神経という言葉。具体的にはどのような働きをするのでしょうか?そして、精油と自律神経の関係は?
ここでは、自律神経のしくみについてご紹介します。


■神経って何?

私たちの身体の隅々に広がる神経。
この全身に広がる神経の中心は脳と脊髄にあります。(脊髄は背骨の中で守られています。)
これを「中枢神経」といいます。

そしてこの神経の中心である中枢神経と全身の各部分をつないでいるのが「末梢神経」。
左右に、脳神経から12対・脊髄神経からは31対の末梢神経が全身に伸びていて、体の各部位からの情報を受け取り中枢神経に伝え、中枢神経からは各部位へ指令が出されます。

そして、脳と脊髄から伸びているそれぞれの末梢神経を、今度はその働きの面から分類すると、「体性神経系」と「自律神経系」の2つに分類されます。

体性神経系には、見たり・聞いたり・触れたり・嗅いだり・味わったりした情報を中枢に伝える「感覚神経」と、体の各部分を意識的に動かすようにと脳からきた命令を伝える「運動神経」の2種類があります。

そして自律神経系は、お馴染みの「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。


■自律神経って何?

自律神経は、脳からの命令を受けずに(本人の意思に関係なく)それぞれの臓器や器官の機能を一定の状態に保つため、まさに“自律”して働いている神経です。

「心臓止まれ〜!」といくら意識しても止まらずに休みなく動き続けているのは、自律神経の働きによるものです。


■交感神経と副交感神経とは?

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2種類の神経があります。

交感神経は興奮や緊張によって働きやすくなります。(血圧を上げる、発汗作用を促す、心拍数を増やすなど。)

副交感神経はリラックスすると働きやすくなります。(血圧を下げる、発汗を抑制する、心拍数を減らすなど。)

そして一つひとつの臓器や器官で交感神経と副交感神経がそれぞれバランスよく働き、体全体のバランスも保たれているのです。


■交感神経と副交感神経はどのように働く?

交感神経と副交感神経は、1つの器官や臓器に対して相反する働き方をします。
それぞれの働き方を見てみましょう!

●交感神経
○副交感神経

【瞳孔】…●拡大○縮小
【血管】…●収縮○拡張
【気管】…●拡張○収縮
【心臓】…●拍動促進○拍動抑制
【胃】…●抑制○促進
【肝臓】…●抑制○促進
【発汗】…●促進○抑制
【大腸】…●抑制○促進
【膀胱】…●拡張○収縮
【生殖器(男性)】…●射精○陰茎勃起


■精油と自律神経の関係は?

精油には様々な作用があります。
心や体をリラックスさせたり元気を与えたり…、それぞれ作用も香りも個性的です。

例えば消化を促進させる作用の精油は、副交感神経の働きを促進させる作用をもっていると言えるでしょう。(胃や大腸の働きは副交感神経で促進されます。)

また1つの精油でも、ある臓器には交感神経を促進させ、ある器官では副交感神経を促進させるものも数多くあります。
私たちに、交感神経と副交感神経どちらも必要なように、精油にも、その両方をバランス良く兼ね備えているものが沢山あります。

このように精油は、私たちの心や体に必要な交感神経や副交感神経の働きを手助けしてくれるのです。

そして精油を使ったマッサージでは、精油は皮膚から浸透して脊椎(背骨)の中の脊髄まで5分ほどで届き、直接神経に対して働きかけます。

その脊髄の両側に交感神経も平行して走っているので(副交感神経は脳幹に中枢があり、脊髄下部の仙髓からも伸びています。)、アロマテラピーにおいても背中のマッサージはとても大切です。

交感神経と副交感神経をバランスよく働かせるために、精油は優しく作用してくれるのです。



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