長編物語

□◆隠された匕首◆
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「だったら……隠さないでよ」


暗闇の中、カレンの悲痛な声が反響する。


「……ひとりで前向きになるのって力がいるもの。
いつもはりつめてて…
もっと頼りなさいよ。仲間を。みんなを。
貴方の何が変わったっていうの?
私には、学園での貴方も今の貴方も変わらず見える。
優しくて、真面目で…」


ライは黙ったまま、苦しげに眉を寄せる。


「………」



痛々しい言葉を吐いて口を閉ざしたライ。
きっと自分にはわからない葛藤がたくさんあるのだろう、とカレンは思う。
だが、だからこそ、知りたい。
打ち明けて欲しい。
どんなに僅かであろうとも学園で一緒に過ごした時間に培われたものは、容易く壊れてしまうものではないと信じているから。


「ゼロに進言してきます。
…貴方を助けて貰えるように。

私は、諦めないから」







◆隠された匕首◆






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