長編物語

□◆幸せの在り処◆
1ページ/6ページ


明くる日、ゼロから直々に、ライの黒の騎士団への入団の発表がなされた。
しかし幹部たちの居並ぶ発表の場に、ライ本人の姿は無い。



「ゼロ、お待ち下さい」


ディートハルトが渋い顔で切り出した。


「彼には記憶の欠損があるというのは分かりました…紅月カレンと友人であるということも…が、しかし、正体がわからない者をそう易々と入団させては…」


ディートハルトの言いたいこともわかる。
欠けた記憶の中に、裏切りの因子がないか…疑って当然だろう。



「いや、その問題はすでにクリアされている」



「と、言いますと…?」



「彼には、ブリタニアを恨むだけの動機がある」



「ほぅ、それはどの様な…」



ディートハルトは意味ありげに口角を吊り上げ、問いを返す。



「その事については、私が証言する。

アイツはかつてブリタニアから酷い扱いを受けていた。
あれで恨まない、と言ったら人間ではないな…」



割り込んできたC.C.の言葉に、みんなの視線が一斉に彼女に注がれた。








◆幸せの在り処◆






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ