長編物語
□◆想い◆
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「スザクの言うことが本当ならば…アイツは一体……
可能性はまだ23通り、か…」
騎士団アジト内、自分の部屋。
机に向かい、ゼロ…ルルーシュは拳を握りしめた。
ライの事。
カレンに任せてはいるが、本当ならば自身で聞きたい事は山ほどある…ゼロではなく、ルルーシュ自身としても。
しかし、ライを目前に何を聞いても、彼は一向に口を割らなかった。
“ゼロ”という仮面の厚さをルルーシュは嫌でも感じざるを得ず…今はカレンが何か聞き出してくれるのを待つ他無かった。
「ギアスを使って自白させれば良いものを」
いつの間にやってきたのか、背後からC.C.の声。
「……」
「嗚呼そうか。“大切なお友達”には使いたくないんだったな」
「…!」
ルルーシュの脳裏に、式根島でのスザクの顔が浮かぶ。
友を助ける為とはいえ、力尽で彼の信念を捩じ曲げてしまった、あの瞬間。
「アイツの事を知りたいか」
急に声色が変わったC.C.の様子に、意図する事を悟る。
「何か知っているのか!?ならば話せ、知っている事全てを!」
声を荒らげながら振り返れば、彼女は黙って、少し悲しげな表情で、こちらを見つめていた。
「…ああ。そのつもりで来た」
◆想い◆
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