長編物語
□◆再会◆
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ゆっくりと瞳が開いた。
蛍光色に輝く液体にそのケースは満たされている。
中には人の形をした何ものか。その瞼の隙間からのぞく、淡いブルーバイオレットが、目の前を行き交う白衣姿の者たちを追う。
ガラスで出来た透明なケースはいくつも並び、彼だけではない、沢山の人型の何かが、その中にひとつずつ入れられていた。
科学者たちはそれらの前を行ったり来たりしながら、なにやら紙に書き込んだり、コンピュータに打ち込んだりしている。
彼は何かを発しようと、唇を動かす。
しかしそれは声にはならず。
やがて再び、ゆっくりと目を閉じた。
◆再会◆
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