彼はみんなが思ってる以上に繊細な心の持ち主らしい(あくまでも自称､だけれど)

粗野で､我雑で､悩みなんてなさそうで…でも意外と色んな事を気にかけたり考え込んだりしているのは知ってる

もちろん､繊細な彼は誰かにそんな自分を見られるのが堪らなく嫌らしく､俺の､もしくは無口な ﾀ ﾝ ﾌﾞﾙ (彼は存外口が軽いのだが ﾗ ﾝ ﾊﾟｽ は全く知らないらしい)の所だか自分の寝床でしかそんな姿を現さない

繊細､なんて言葉が彼の口から出るなんて思ってもみなかったけど…まあ突っ込みどころはいろいろあるよね

例えば､俺が出向かない限り片づかない汚れた寝床で寝れるとことか

例えば､賞味期限が切れて捨てられてる食べ物を"まだ開封されてないから毒は入ってねぇはずだ"とかどこから来るのかわからない確信を持って躊躇いなく口に入れる事とか

例えば､寒いからといって勝手に寝床に潜り込んできたあげく温かい毛布にくるまって気持ちよく寝てた俺をｶｲﾛ代わりにしてることとか

顔が近いとか

密着してるとか



｢近い｣


｢気にすんな｣



他にもいろいろ突っ込みたいとこはあるけれど

とりあえず彼は､彼が思ってる程繊細な生き物じゃない




→後書き