本2(満)
□続#自転車第十話
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♭早耶
とうとうこの日がきてしまった……
私は○○高校を見上げた。
少し早めに来たつもりだったけど、すでに来ていた人もけっこういた。
やーみんな頭良さそうに見える……
特別にペンダントにしてきた指輪を、服の上からぎゅっと握った。
大丈夫、大丈夫。
いつも通りやれば良いんだから。
試験前の詰め込みしなきゃ。
そして教科書を広げて数十分後、試験管の合図とともに問題とのにらめっこが始まった。
とりあえずわからない問題は次々と飛ばしていくが……ほっとんどわかんない!
どうしよう、点数稼げないじゃん。
一回手を休めて深呼吸。
そして、もう一回問題文をじっくり読む。
整理しながら考える。
………
解けた!
冷静になってゆっくり解けば、普段以上の力が出せた気がした。
本当に手が止まったときは、周りの鉛筆の音が響いて焦ったけど。
そうして五教科に及ぶ試験を終えた私は、ぐったりして帰路についた。