本2(満)

□続#自転車第八話
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♭恰次

とうとう前日になってしまった。

どうせサークル内だし、あまり緊張はしてない。

ただ、もうずいぶん忘れていたが、いつか不思議な店からもらった指輪、どうしよう……

そりゃ、渡せば良いんだろうけど、名前が彫ってあるというのが引っ掛かる。

あれは、すでに俺たちの運命が確定されていることを示しているのだろうか。

仮に早耶に渡したとして、俺が早耶を縛りつけることになりはしないか。

だって、相手はまだ中学生で、これから恋をすることだってあり得る。


束縛したいけどしたくない。


うわー。どうしよ。

これは、渡してしまった方が良いのか。

気持ち的には……渡したい。

うん、渡そうか。

そうだな、人間別れる時は別れるし。
ずっと一緒にいたいと思えば叶うだろう。

今は今の気持ちを大切にしよう。

さて、あとはタイミングだな……

軽い妄想に陥りながら俺は目を閉じた。
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