本2(満)

□続#自転車第四話
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♭明希

傘を返そうと思っていたのに、大沢先輩は風邪をひいて返す機会が延びてしまった。

今日こそ!
と思って部屋に入ると、先輩がすでに椅子に座って用意しているのをみて、すごくホッとした。

「大沢先輩、もう大丈夫なんですか?」

「あ、高山。うん、もう平気。」

「よかったぁ。あ、傘、ありがとうございました。
正面玄関の所に置いておいたので。」

「わかった。」

私も隣に座ってフルートを組み立てた。

やっぱり、隣に人がいるっていうのはホッとする。

それが、好きな人だとなおさら。

今日の練習は、いつも以上に集中できた。
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