本2(満)

□続#自転車 第一話
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♭早耶


自分の部屋に入って、早速アルバムを開けた。

そこには、私と恰次さんが映った写真が沢山貼ってある。
中には仕方なく、従兄の神にいが写っているのもある。
だって、二人きりで出かけるなんてとてもとても………

顔が赤くなりかけたので、慌てて今日、原像してきた写真を取り出した。
先週の日曜日、また三人で遊園地に行った時の写真。

恰次さんの分をより分けながら眺めていても、自然に顔がほころんでしまう。

やっぱり、あの時勇気を出して告白して良かったと思っている。
でなきゃ、恰次さんの『妹』なんていうポジションは得られなかった。
今は隣にいられるだけで幸せだ。

もちろん、今でも好きな気持ちに変わりはないけれど。

私は、神にいに頼んで撮ってもらったツーショットをアルバムのページの一番上に貼った。

「早耶ー?ちゃんと勉強してるのー?」

「これからするー」

母は、私が受験生になったということで、よく勉強に口出しをするようになってきた。
度々志望校の話もでるけど、母の一方的な意見で終わる。

まあ、将来の夢を決めてない私に意見なんてあるわけないんだけど。

最後の一枚を貼ると、仕方なく授業の復習をすることにした。
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