本2(満)
□第五話
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「は〜。」
私は部屋に入ると、ため息をついた。
「何ため息なんてついてんのよ。」
「ふぁっ!」
「それと、その口癖直しなさいって。」
「むう…。」
まったく、冬海はいつも口うるさいんだから。
しかも、この年にまでなって一緒の部屋。
「どぉ?青春の方は。」
「………仲良くなったよ。」
さすがにキスされたとは言えない。
「あんた、もう中三でしょう?高校行かないんだから、今のうちに別れておけば?」
「何それっ!?今日付き合い始めたばっかだよ!?」
「その子、かっこいいらしいわね。ライバルとか、周りに気を付けた方が良いんじゃないの?」
「大丈夫だよ。あ、もう寝なきゃ。おやすみ。」
私は布団をかぶると、冬海に背を向けて目を閉じた。
「ちゃんと忠告はしたからね。」
冬海がそう言ったのが聞こえたけど、気にしないことにした。
それが、とても大切なことになるとは知らずに…。