本2(満)
□第三話
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「すごかったねぇ、アレルギー。」
教室に戻り、席に着いた私は、春香に話しかけられた。
「あ、うん。」
春香は、仲は良いけど、あまり話さないっていう仲。
「すぐに収まってよかったね。」
「ホント。あたしびっくりしたよ。」
早苗も会話に加わってきた。
「だって、緑のウロコみたいなのがうじゃうじゃって・・・、あ、ごめんね。」
「いいよ、気持ち悪いでしょ。」
春香と早苗はためらいがちにうなずいた。
「水に入っちゃうとああなっちゃうんだよねー、ホント困った。」
「・・・・・お風呂はどうしてるの?」
「あ、あぁ、お湯は何故だか平気なの。」
春香の鋭いつっこみに、私は焦ってごまかした。
春香がまた口を開きかけた時、誰かが私の横に来た気配がした。
ふと、顔を上げてみると、そこには一馬君がいた。
まともに目があっちゃったよぉ・・・。
「夏海、話があるんだ、来い。」
一馬君は、そう言うなり私の腕をつかむと、廊下をずんずんひっぱっていった。