本2(満)
□第九話
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翌日、私は生まれて初めて仮病を使った。
「早耶、本当に大丈夫?」
「うん、大丈夫。早く仕事にいかないと、遅刻するよ。」
私は、できるだけ辛そうな顔をして、お腹を押さえながら言った。
もちろん、本当は痛くなんかない。
「じゃあ、何かあったら、必ず電話するのよ。」
そう言って、お母さんは家を出た。
一時間くらい私は家でおとなしくすると、身だしなみを整え、私も家を出た。
恰次さんの通っている大学へ向かって。
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