本2(満)
□自転車八話
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「神にいのバーカ。」
俺が部屋に入ると、いきなり早耶がそう言ってきた。
「な、なんだよ、急に。」
「恰次さん、彼女いないって。」
あぁ、本人に聞いたのか。
やるな、意外と。
「告ったか?」
ぶんっ
そう聞いたとたん、枕が飛んできた。
「するわけ無いじゃない!!年齢差いくつだと思ってんのよ!」
「じゃあ、俺の告白はどうなるんだ?」
「年齢差がなくても、却下。」
威勢よく振られてしまった。
「じゃあねっ。」
バタン
そのままの勢いで早耶は部屋を出て行った。
「あーあ・・・練習する気なくなっちまったじゃねぇか。」
俺はイスに腰掛けると、年に合わない深い深いため息をついた。