本2(満)

□神の子第一話
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雪はその知らせを聞き、お皿を落とした。
しかし、そのお皿は床に着く前に風によって手の中に戻された。

「………集まらなくては。」

雪は風に伝言を頼んだ。
日本中の子供たちに届けるように、と……


ボキンッ

奈々はその知らせを聞いて思わず鉛筆を折ってしまった。

「ウソぉ・・・」

奈々は書きかけの漢字練習をほっぽりだすと、急いで三つ葉小学校に向かった。


「集合か・・。」

大悟は頭をぽりぽりかきながら考えた。

「お兄ちゃん。」

すでに三人の弟や妹が大悟の周りに集まり、指示を待っている。

「おれ達、兄ちゃんがいてくれれば、母ちゃんや父ちゃんがいなくても寂しくないぞ。」

「よし、行くか。」

「はーい!」

大悟たちも三つ葉小に向かって親に見つからないように歩き始めた。



「………」

建は押入れの中でその知らせを聞いた。

バタン

ドアの閉まる音がした。
そこでやっと建は押入れの中から出た。

「チャンスだ・・。」

建は十分に敵・・母親が家から離れたのを待ってから家を飛び出した。



「以上で議会を終わりにする。」

静まり返っていた会議室が騒がしくなった。
その中で一人、黙って頭を抱えている男がいた。

「決まってしまった・・・。」

男・・・一和はため息をつくと、うらめしそうにパソコンの文字を見つめた。

・子供チカラ禁止法=可決
・世界支配方針=可決

一和は乱暴にパソコンを閉じると、他の人と同じように帰り支度を始めた。


「やったわ・・・。」

女は首相室で満足げにタバコをふかした。

「これで、世界は私のもの♪」

女は怪しく笑うと、強く灰皿にタバコを押し付けた。
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