本3

□鳥籠の中の姫君
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プロローグ





明るい満月の夜。


月明かりに照らされた部屋の中で、少女は旅支度をしていた。


「えっと…着替えは持ったし、香水も化粧品ももった。あとは…あっあれも持たなきゃ!」


誰もが寝静まる夜に、少女は部屋の中をそっと駆け回る。


動く度に、胸元の宝石が輝いた。


少女はふっと鏡の前で立ち止まり、宝石に手を当てた。


「明日こそは…必ず出ていくんだから。」


決意を言葉にして、外に広がる世界を思った。
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