短編

□だったらいいのに
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電車の端の席のあの壁が

あなたの肩だったらいいのに

毛糸で編まれたこの手袋が

あなたの手だったらいいのに

鏡の中から見返してくるわたしの目が

あなたの目だったらいいのに

頬を染めるチークのこのパフが

あなたの唇だったらいいのに


だったらいいのに

だったらいいのに


だけど


あなたは遠い地に離れてしまっている

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