ありますや

□自転車
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その日は、梅雨にしては珍しく、からりと晴れた。

「晴れましたね〜。」

店中の窓は、この日に湿気を店内からなくそうと、全開になっている。

「あぁ、そうだな。」

小松さんは、私が苦労して並べたガラス細工を一つ一つ見て、少しでも汚れていると、丁寧にふき取っていた。

店の中は、最初に入ってきた春のころよりずっとずっと片付いてきた。

けれど、前にもあったように、家具とか本とか、そういう、捨てられた感じのものが、たまに、ドサッと入ってくるので、完璧には片付かない。

毎日、そのものたちを置くスペースを確保することに奮闘している。

「これ、ちゃんと拭いてるか?ずいぶん汚れてるのが多いぞ。」

「すみません、暇がなくて……」

そう言いつつ、手は何とかこの古本を押し込めようと、頑張っている。

「古本をそんなに詰めるな。」

「じゃあ、どこに置けばいいんですかっ。」

「自分で探せ。」

結局〜〜〜。

まぁ、小松さんの言うことにも一理あるので、私は本を抑えていた手をどかした。

「ここは『店』なんだぞ。商品は大切に扱え。
それに、色々魔力やなんや持ってるモノが多い。
あまり乱雑に扱うと、それが無くなってしまうだろう。」

「はーい………」

ちょっと落ち込むなぁ……

仕方ないので、他の棚を整頓し直すことにした。

と、店のドアが開いた。

カランカラン
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