本3
□光と闇の恋物語
2ページ/48ページ
イシズエノウタ
礎の詩―第一番
現世に生きる魂
その生終わらば二つの道
光ある世界へ逝くか
闇満ちた世界へ逝くか
光ある世界には
白き翼を持った者が
闇満ちた世界には
黒き翼を持った者が
死者を迎えるために待ち受ける
二つの世界で新たな『生』が始まる
魂のまま生きるもよし
新しき生を受けるも可
罪を洗うは尤もなこと
白き翼を持つもあり
黒き翼を持つもあり
しかしいずれも制約を破ることなかれ
死者は生者と交わらず
罰は必ず引き受け
純白は漆黒と交わらず
白は幸を
黒は不幸を与えるのみ
この詩を忘れることなかれ
この世の均衡を守ること
生者と死者の
共通の制約