本2(満)
□続#自転車 第二話
1ページ/5ページ
♭恰次
土曜日。
サークルの練習が終わり、俺は学食に行こうとしていた。
「あ、大沢先輩。」
後ろから呼び止められて振り返ると、一年の高山明希(たかやま あき)がいた。
同じフルートを吹いている女子だ。
「どうかしたか?」
俺はチラリと時計を気にした。
「あの、ここがよく解らないので、教えて欲しいんですけど、午後、時間ありますか?」
「ごめん、これから待ち合わせなんだ。」
「あ〜。彼女ですか〜?」
「うん、まぁ…」
勢いで言ってしまった………!
「じゃあ仕方ないか。また今度、教えて下さいね。」
高山はたたっと自分の席に戻って楽器を片付け始めた。
俺はもう一回時計を確認した。
うわ、もうこんな時間だ。
待たせちゃってるかな?
慌てて食堂に走った。