本3
□第二話
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「そこまでだ!」
突然、朗々とした声が耳に飛び込んできた。
光輝が素早く飛びのく。
やっと呼吸が楽になった。
「二級悪魔カルミナ。契約法違反の罪で連行する!」
僕の傍を、黒いモノがたくさん通り過ぎた。
と、今度は別の声が聞こえてきた。
「はっ。誰がそう簡単につかまるかよ。」
光輝がしゃべっている。
けれど、いつもの光輝の声じゃない。
しゃがれた、いやらしい、男の声だ。
「あばよ。」
その声の主は、光輝ごとどこかへ消えていってしまった。
「ま・・・っげほっげほっ。」
待って。
そう言おうとしたけど、さっき首を締められてたからか、声がうまくでなかった。
光輝がどこかへ連れて行かれてしまった。
お母さんとお父さんも死んだ。
僕は、独りぼっちになった。