本2(満)
□第一話
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「いったぁったたたた・・・。」
私は頭を押さえながらぶつかってきたモノを見た。
月明かりに照らされたのは、普通の男の子だった。
「えっ・・・。」
私は慌てて海の中に潜って隠れようとし、ようやく、何かが変だということに気がついた。
その男の子は気を失っていた。
「大変っ!!」
私は慌ててその男の子をつかむと、海辺へ引っ張っていった。
「だ、大丈夫かな、どうしよう〜。」
私は海辺でしばらくうろうろしていた。
男の子はまだ気を失ったままだ。
あの子、このまま死んでしまうのだろうか?
フッとそんな不安が頭によぎり、私は心臓の辺りを少し押してみた。
1、2、3、
1、2、3、
「がっ、ゲホッゲホッ。」
男の子は息を吹き返した。
そして、私と目が合ってしまった。