本2(満)
□自転車五話
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結局、オレはそのままお昼をごちそうになることになった。
といっても、パンだけど。
ムシャムシャムシャ・・・
黙々と食べているオレたち。
気まずい。
「あのさ、早耶ちゃ・・・」
「おっじゃまっしまーす!」
いきなりドアが開いたかと思うと、神山が入ってきた。
「は?何でお前がここに・・。」
「いやあ、早耶ちゃんとこに恰次が行くって聞いてさあ、変なことしてないかなあって。調査しにきた!」
「だいたい、何で神山はフツーに入ってこられるんだよ。」
「だって、従兄妹だもの。」
「どういうことだよ。」
「早耶ちゃんと、俺は、従兄妹だから、大学に、通うために、ここに、置いてもらってるの。」
早耶ちゃんに目を向けると、コクコクと首を縦に振っていた。
「でも、お前、今日大学行く日だよなあ?もしかして!ロリコ・・・。」
ガッ
オレは早耶ちゃんに見えないように、神山の足を踏んだ。
「っ・・覚えてろよ・・。っとぉ
、オレも腹へった。パンちょうだい。」
「はい、はい。」
早耶ちゃんはパンを取りに台所に行った。