本2(満)

□自転車五話
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早耶ちゃんのピアノは、思っていたよりも、ずっと上手だった。

オレさえ時間を忘れてしまうぐらい。

フルートに息を吹き込んだ。

曲は、エリーゼのために。

グランドピアノがあるだけに、ある程度、部屋に反響するように工夫してあるみたいだ。

吹いていて心地よい。


「ふぅ・・。」

吹き終わった時、なんとも言えない充実感を味わった。

「すごい・・・とても綺麗でした。」

「ありがとう。」

ここで吹かせてくれて。

オレはフルートをケースにしまった。
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