真珠の宝箱
□そんな幸福
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空は快晴で、それを見上げながらどうやって1日を過ごそうとか、何処に連れて行ったら喜ぶとか、色んな事を考えていたら、凄く緊張してきた。
朝ご飯も、そんな喉が通らなくて、喉がすぐ渇いた。
待ち合わせ場所に1時間も早く着いてしまった為、一人で彼女が来るのをずっと待っていた。
―そんな幸福―
一週間前、クラスメイトの彼女に告白した。高校に入って、初めて恋をし、初めて彼女が出来た。
心に知らない衝動が押し寄せ、どうしたらいいのか分からなくなったけど、それだけの事がどうしようもなく嬉しかった。
「日番谷くん!」
あの日の事を考えていると、今でも鮮明に蘇る。あの日の彼女は夕陽に染まっていて、凄く凄く綺麗だった。どうしようもなく彼女が好きで、触れたいと思ってしまった。彼女の事を考えると、彼女の声が聞こえる。
「日番谷くん!!」
「っ、…ひな、もり」
幻聴ではなく、それは紛れも無い彼女だった。