リクエスト小噺

□ANSWER
1ページ/8ページ



射し込む西日に耐えかね、俺は座席近くのブラインドに手をかけた。
せっかくの夏休みということで、いつものメンバーと電車でちょっと遠出したときのことだ。
「あっ」
俺が立ち上がったことで、眠っている獄寺の体が傾いて、これまた眠っている隣のハルの頭とコツンとぶつかる。
「え…」
ふたりで肩を寄せあって眠る姿は、誰が見ても微笑ましい中学生カップルのようで。
「ああああ……」誰が見てもお邪魔虫の俺の声を気に留める者は、皆無だった。
これが、表面張力が溢れる一滴だった。










ANSWER
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ