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□BLOW UP THE DARK
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「んっ…あっ……」
「だから、声きかせてって」
「ちがっ、ぅあ…ン……」
山本に胸許を抓まれて、思わず感じいった声が漏れる。
我慢する時に使う両手も、制服のネクタイで封じられてしまった。今日は、解放してもらえそうにない。

俺としてる時、なんのためにいつも声ガマンしてんの?
きっかけは、山本の素朴な疑問からだった。学校帰りに、山本の家で、キスをしたときだった。

「我慢したら意味ないじゃん」
「う、うるせ…あ、やっ…ッ…」
ようやく言葉を紡げば、その口腔に指が突っ込まれる。
「うぅっ…ぐ……」
「痛いのイヤなら、ちゃんと濡らせよ…」
山本が、わざと乱暴な言葉を選ぶ。
悪ノリしやがって。それとも、この雰囲気に流されてるのかよ。
俺の向ける抵抗の眼差しを、山本はあっさり躱すかのごとく中指とひとさし指を揃えて俺の咽喉を犯す。

山本の言い分は、充分に分かる。
俺だって、山本に“感じてません”なんて態度で臨まれたら嫌だ。
俺に譲歩して部屋を暗くするなら、なおさらのこと。ただでさえ顔の見えにくい相手に沈黙を守られれば、どうしようもない。
だからこそよけいに、反応が返ってくる場所を攻めたくなる。
俺だって男だから、分かっている。

だけど━━
これはひどい。無理矢理すぎる。
両手を纏めたネクタイはS字フックでベッドに固定され、晒された下肢は山本によって割り開かれている。もちろん、光の遮断は許されない。

「くッ……ぁ、ンふっ…」
「あれ…指舐めて感じてんの?」
山本が、勃ち上がりかけた俺の中心を扱く。
「ふぁっ、あ…」
「獄寺のエッチ」
指を勢いよく抜き差しされ、片側の手も連動して俺を刺激する。
「んっ…ん、ぅんッ…」
手を振り回したいのに、まったく敵わない。
力を入れれば、こんなネクタイなんて緩めることもできるはずなのに、なぜか力が入らない。
いいように翻弄され、理性は擦り切れそうだ。
その証拠に、俺の舌は山本の指をいやらしく這う。
水っぽい音がまた刺激になり、俺の体に快楽を植えつけていく。
「そろそろ、かな…」
山本が呟いて、指を抜きとった。
解放感に大きく息をついたのも束の間、
その指が、俺の孔に少し入れられ━━
「あっ、やぁッ━━…っ…!!」
俺は達しながら、声を上げた。
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