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□なんてサイコー
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今日は寒いよな、って言っただけなのに。
じゃあ暖めてやるよ、って抱き締められた。
どんなきっかけもチャンスに変えるこいつには、本当に呆れる。
簡単に流される自分にも、本当に呆れる。


なんてサイコー


「ごくでら…」
「ちょ…」
寄せてくる唇を、拒むように遠ざける。
でも山本は、俺のその手をとり、唇の距離を戻す。
「誰か来るだろ…っ」
「来ないよ」山本が本当にくちづけやがって、続けた。「たぶん」
「てめぇ…っ」
俺は山本を突き飛ばす。
教室には俺たちだけで、山本にぶつかるのも机や椅子だけだ。
でも山本は、さっきのようにまた間合いを戻して「今日はいつもより抵抗すんのな」ニヤリと笑った。
「たりめーだろっ。ここどこだと思ってやがる」
「学校」
「てめえ部活行けよっ」
「今日は3年が来んの遅いから、それまで自主練なのな」
「じゃあ自主練行けよっ」
「獄寺つきあって」
ふわりと抱き締めてくる体は、異常に俺に密着してくる。
「軽く運動しようぜ」
「はっ…!?」
「学校で…って、なんかスゲー燃えねぇ?」
「……ッ」
山本の言わんことがようやく分かって、俺は改めて暴れる。
「アホか!死ね!!机の角で頭打って果てろ!!!」
「どーせ果てるなら、獄寺の中がいい…」
「ふざけんなー!!」
山本がグリグリと腰を押しつけてくる。それはまだ柔らかくて、俺は必死に身を捩った。
「いやだっ。離せっ」
「電気消すから」
「変わんねーよっ!」
「カギかけるから」
「そういう問題じゃねえっ」
「じゃあ、どうしたらできんだよ?」
「どうもこうもないわーッ!!(怒)」
ガツッ。俺は山本のむこう脛を蹴って逃げた。
「いてぇ…」
「帰るッ」「ダメッ」山本が執拗に俺を捕まえる。「今日は絶対スるっ!」
思わず生ツバ飲んでしまう。腰に当たる感触で分かる。山本…反応してきてる…。
「ごくでら」
山本が、制服の上から俺の中心を擦り始める。
「獄寺がさっき、こうやって動いたからさ…」
「ぅあ…やめ……」
「どうしても刺激されんだよな…」
後ろで、ベルトを外す音が聞こえた。
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