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□なんてサイコー
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机に腰掛けると、バサッと音がして「うわっ!?」向かい合う山本の背景が真っ白になった。
「こうすれば、明るいし、気づかれねえし、一石二鳥だな」
カーテンの中で、山本がにっこり笑った。
「━━ってイヤイヤイヤ!違うだろ!!」俺は山本にチョップする。
カーテンを被ってるってことは
「外!こっからは見えるじゃねーか!!」
「あっ、そっか」
山本が初めて気づいたように言う。
「じゃー獄寺、そういうことだから。あんまり動くとマズいぞー」
「アホかッ…あッ」
急に明るくなった空間で、山本が手を動かした。
「あっ…あ……」
「獄寺も。手ェ動かして」
山本のブツを握らされ、俺は抱き竦められる。
身動きがとれない。わざとかもしれない。
ここは1階じゃないけど、でかい声の奴の話ならうっすら聞こえる。
俺たちの声も聞こえるかもしれない。顔も見えるかもしれない。
俺だけの声が聞こえるのはイヤだ…。
俺は指に力を振り絞って、山本を愛撫した。
額の辺りで、山本の吐息を感じる。
目の前に山本の胸板があって。
俺は、それを覆うシャツを矧いだ。
中では、まだTシャツが着込まれていて。
それでも、寒さか快感か、突起が分かった。
とにかく、下肢の快感をまぎらわせたくて。
俺は、それに歯を立てた。衣服の上だったから、少し強く。
その直後に

「あぁっ」

俺の額の辺りで声が聞こえたかと思うと、山本が勢いよく引いた。

「え……?」
ふたりの声が重なる。
「やまもと…?」
「なっ…ごく……急に舐めんなよッ///」
「え……?」
山本が、シャツのボタンをかける。
そして、また愛撫を再開した。先ほどよりは幾分、距離を置いて。
「やまもと…」
俺は手を伸ばし、またシャツのボタンに触れる。
「違うってッ」
山本が、払い除けた俺の手を下半身に導く。
だから俺は、もう片方の手で、シャツの上から突起に圧力をかけた。
「ぅンッ」
山本の手の動きが疎かになる。
頬を紅くして睨む山本の瞳に、「へぇ……」頬の緩んだ男の顔が映った。
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