リクエスト小噺

□音声のみでお楽しみください
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「…………」
「…山本?」
「なんかさ」
「うん?」
「今の会話だと、俺が2番めみたいだけど」
「おう?」
「俺たちのケータイの中では、俺は獄寺の1番になるし、俺も獄寺を1番にするし、それが同じメモリ番号って、なんだかお揃いみたいでいいね」
「……今さらかよ…」
「え?」
「っなんでもねえよっ。そんなに一緒がいいなら、999番にしあってもいいぜ?」
「最後じゃん!っつーか、999て悪魔の子供みたいじゃん!!」
「それは666だろっ」
「あっそうか」
「おまえって、本当にバカだな」
「そうなんだ。獄寺がいないと生きていけない」
「それだけ逞しけりゃ充分だ」
「なんだよーこういうときは“俺が一生面倒みてやるぜ”って言わなきゃ」
「言うかボケー!」
「なーんだ。俺なら言うのにな」
「ばっかじゃねえの。勝手に言ってろ」
「ダメデス、ゴクデラガイワナイトイイマセン」
「ロボみたいに喋んな!」
「あっちゃんみたいだった?似てた?」
「誰だよそれ!」
「俺がいないと生きてけないって、獄寺に言わせてみたいなあ」
「……勝手に言ってろ」
「あ。今の沈黙、ちょっと言ってやってもいいかなって思ったろ」
「思うか! ていうかさっきから、ちょいちょいちょいちょい誘導的なことばっかり言いやがって!そんなもんに通話料つかうな!」
「だって獄寺とケータイで話せて嬉しいんだもん」
「はしゃぐな!コドモか!!」
「あ、そう。じゃあ、つきあってくれないなら、獄寺とはいったん切って、ツナに電話しようかな」
「え?」
「これ切ったら、ツナのメモリ番号000にするし?ちょうどいいよな」
「おまえ…また話をそこに戻すのか」
「いや、そんなつもりはなかったけど。話の流れ上、やむなく」
「やめろよ!いくら明日が休みだからって夜分に、10代目に失礼だろ!」
「はぁい」
「ったく…」
「…………」
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