Ⅰ
□Teenage Blue
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「それでは、家族と相談して、記入のうえ今週中に提出すること」
進路指導の教師が、そう言って教室を出ていった。
新学期に入って、まだ１か月もたっていないときだ。
下校前に配られたプリントを、俺はじっと眺めた。
プリントの隅にワープロで印刷された “３年生対象”という言葉に、妙な違和感を覚えた。
Teenage Blue
「山本、卒業したらどーするの？」
放課後、帰り支度をした10代目が、教室で山本に尋ねる。
「おれ？メジャーにでも行こっかなー」
山本がくだらない冗談を大声で言ったもんだから、教室中に笑いが起こる。
こいつは絶対、何も考えていない。
俺は、小さくため息をついた。