リクエスト小噺

□秋の夜長に
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秋の夜長に










日曜日の夕方、大御所アニメを観ながら“ああ、また1週間が始まる”とうんざり思ってしまう人間は少なくないらしい。
なんとか症候群っていうその気持ちが、俺はちょっと分かった気がする。
「ああ、また1週間が始まる」
俺がそう零したのは、早くも土曜日の夜だった。

「まだあと1日あるじゃねぇか」
獄寺が、ベッドで煙草を吸いながら呟く。
土曜日の夜、つながっていた体を離した後だ。
「でも、明日の今頃は、おれ帰ってるし」
そう言いながら、俺は獄寺の空いている手を握った。
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