リクエスト小噺

□近距離恋愛
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もうすぐ夏休みが始まる。
水泳の授業も終わったし、期末試験も終わった。
まだ少し学校に行かなきゃならないのに、みんながもう夏休みモードだ。

「最後のアレ、面倒臭いっすよね」
期末試験最終日の帰り道、獄寺がツナに呟いた。
「ああ、アレ。暑いしねー」
ツナも顔を顰める。
「まあまあ。学校行事なんだし楽しもうぜ」
俺が宥めると、ふたりが苦笑した。
本当は、俺も同じ顔をしたいくらいのかったるい行事だった。でも、俺は楽しみたかった。

終業式の前日は授業がない。
でもその代わりに、デイ・キャンプがある。
近くの山裾にあるキャンプ場で、カレーをつくってゲームをして、クラスの親睦をより深めるためらしい。
もちろん、不参加は授業の欠席と同じとみなされるので、文句たれながらもみんな参加する。
まあ、同じ暑い場所なら教室で勉強よりずっといい俺と同じ感覚だ。










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