リクエスト小噺
□白夜
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朝、目を覚ますと、山本はもういなかった。
閉めきったカーテンから、朝日が漏れている。鳥の鳴き声もする。
それでもまだ眠たくて、目をこすろうとしたら「あいつ…」自分の指についた赤い痕を見つけた。
昨夜、声を押し殺す時に使っていた手を奪われ、噛んだり吸ったりされたのだ。
「他にもつけてんじゃねーだろな」
鏡で確認しようかと思ったけど、体が怠くてやめた。
ゆうべ俺たちは、初めてふたりきりの夜を過ごした。
白夜
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