リクエスト小噺
□音声のみでお楽しみください
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音声のみでお楽しみください
「もしもし」
「もしもし。山本、です」
「……え？」
「ケータイ、買ったんだ」
「…あ、そう」
「うん」
「そうか…」
「びっくりした？」
「べつに…」
「本当は、一昨日に買ったんだけど」
「あ？」
「なかなか使い方がわからなくって。やっと大体わかるようになった」
「そうかよ」
「獄寺の番号とか、登録する方法も覚えたよ」
「簡単だろ」
「メモリ番号ってあるだろ、登録した順番に番号が振り分けられるやつ」
「ああ」
「このケータイ、登録されたひとのメモリ番号も変えられるらしくて」
「んん？」
「獄寺のを、000番にしたんだ」
「ああ、そういう意味か」
「そうしたらさ、アドレス帳のボタン押しただけで獄寺の電話番号がすぐに出るんだ」
「はあ」
「そこで通話ボタン押せば、すぐに獄寺にかけられるってわけ。すごいだろ？」
「おまえ…やめろよ、そんなことするなよ」
「え、獄寺イヤ？」
「イヤッてわけじゃ…」
「じゃあ、俺のケータイだし、それで決定な♪」
「…………」