現代風陰明師?
□〜序章〜
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真っ暗な闇の中…
ただ、月の光だけが頼りの中にオレは立っている。
周りにあるのは細い木々と薄気味悪い木造の建物があるだけだ。
「ったく、照準がつけづらいなぁ…」
右手で構えている銃を標的がいるであろう方向に向けていた。
瞬間、直感が働き体が勝手に前方へ飛び込んでいた。
「碧唯(アオイ)っ!後ろだ!!」
「ッ…わかってる!」
後ろからかかった声にそこそこに返答しつつ、すかさず態勢を立て直し顔を上げ標的を目で捉らえる。
その間にも、実体のないソレはゆっくり近づいて来る。
「この距離なら…響耶(キョウヤ)、頼んだっ!」
言い終えると同時に、右手に持っている銃を構え左手を添えトリガーを引く。
銃から出た弾丸は実体のないソレに当たり動きを止める。
「任せて」
刹那、その言葉と共にソレの背後から走り込んできた響耶が、月の光に照らされた刀を一閃しソレを一刀両断にしていた。
一閃された実体のないソレは、徐々に姿を消していった。
「…こいつで終わり?」
「………」