eye〜真実の瞳〜

□偽りの自殺現場〜事件編〜
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正鵠(せいこく)高校探偵部。それは、部長である百目鬼平太の熱い想い(?)と、理事長である恩田君代の気まぐれで出来た部である。なので、設立2年目になっても部員数は現在たったの2名(百目鬼部長含む)。さらに、今まで請け負った事件も数は何件かあるにはあるが、すべてが犬猫探しや落とし物捜索などである。

そして、私の名前は恩田みく。その探偵部のある正鵠高校の2年。理事長の孫という理由だけで探偵部に入れられた部長を除いた唯一の部員です。私としては強いて入りたい部も無かったので断る理由も無かったんですが、少し(?)変わっている部長のせいで、相談や依頼がすべて私経由になっていることだけが今の悩み・・・。

でも、そんなお遊び感覚たっぷりの探偵部に物語が訪れようとしていたんです。それは2人の転校生。真実を司る青年と天才高校生探偵との出会いによって・・・。





6月のある日、私がいつものように学校に着くと、A校舎とB校舎の間の中庭にパトカーのサイレンの音と共に人集りが出来ていた。普通じゃない状況に足早に近付いてみると、そこには昨夜の雨に打たれたのだろう、まだ少し体が濡れている首を吊った女子高生の死体が、中庭の真ん中に唯一立っている木に静かにぶら下がっていた。地面には渡り廊下から木に向かっておそらく死んだ女子高生のであろう足跡が1つ。私は自殺だろうと考えた。だが、集まっている生徒達の各々の話し声の中から聞こえてきたある一言が気になった。

「・・・綺麗すぎる」


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