シリーズ物語

□ようこそ!ボンゴレへ!!3
2ページ/2ページ

「スイマセン。遅くなりましたぁ…ぇ?あ、骸?」
扉を開けた犯人は綱吉で、元気に謝ったまま呆然と弾き飛ばした人物の名前を呼ぶ。
「遅いよ、心配したでしょ。」
するりと抜けた雲雀は、綱吉の手を握り自分の胸に閉じ込める。
「スイマセン。でも、放っておけないですし…。」
「そんなの、綱吉のファンが業とやってたり、変なヤツだったらどうするの?綱吉誘拐されてしまうよ?」
「やだなぁ、俺なんか誘拐しませんし、Fanの子も…あまり居ませんから…ははっ………
心配しなくて大丈夫ですよ。」

入室とほぼ同時に繰り広げられた、雲雀と綱吉の抱擁と睦言のような会話に骸は痛む背を押さえながら綱吉に笑顔を向ける。
色の違う瞳は、痛みでじんわりと涙が浮かんでいる。

「…おはようございます。綱吉君…僕もとても心配で心が張り裂けそうでした。」
綱吉に向けた笑顔はそのままで雲雀を突き飛ばす。
「……でも、無事でなによりです。」
柔らかい口調そのままに、綱吉の小さな身体を抱き寄せふわふわとした髪の毛にキスをする。
あまりにも気障な仕種に室内に居た全員が『げっ』と顔をしかめる。
「え?そうなんだ。ごめんね。雲雀さんには連絡してたから〜そんなに心配しないでよ。」
ニコッと笑い綱吉は返すが、骸はわなわなと震え、叫ぶ。
「どうしてですか!!?あのアヒル君にだけ連絡するなんてっ?携帯は僕だって持ってますよ
!番号だって登録したじゃないですかぁ〜?!」
細い肩をガシッと掴み訴えてくるが、綱吉は細い人差し指で自分の柔らかい頬を2、3度掻いた。
「………あ〜、この間雲雀さんに登録データ全部削除されちゃったから。」

ピシ

室内に凍る音が響いた。

「………雲雀恭弥ぁぁぁ〜!!貴方は悪魔ですか?!僕と綱吉君の間のホットラインを!」
ギリギリと奥歯を軋ませる音が鳴り、雲雀に向け指をさす。
「綱吉に群れる『蛾』を払ったダケだけど?」
「が、蛾?って誰の事ですか?喧嘩の種を振り撒く自分の事じゃないですか?」
「ひ、雲雀さんっ骸もミーティング。」
間に挟まれた小さな綱吉は、おろおろと二人の間で慌てるが急に襟足を引っ張られ、強引に椅子に座らされた。
「リボーン!と、止めないの?」
綱吉の前の円卓にどっかっと座り「面倒だし、いい。お前、マネージャー様の俺に連絡しろよ。それに、アイツら居たら話纏まらねぇ…っつーか、猛反対しそうな話だしな。」
その言葉を聞き付け罵り合う二人は、ピタリと動きを止め綱吉の両脇を陣取る。
綱吉は小さく「いや、だからね。雲雀さんに消されたから…。」と一応主張する。

「随分、物騒な話そうですね。僕らが反対ですか…。」
二人が反対することとは、綱吉絡み以外に他ならない。

「そのまま喧嘩しとけよ。…それから雲雀お前よ、俺のまで消すなよ。」
マネージャーであるリボーンとは常に連絡を取り合わなければならないし、雲雀自身も他の男なら断固反対するところだかマネージャーであるリボーンを気に入っている。
「仕方ないね。赤ん坊のは許してあげるよ。」

「何で、貴方の許可が必要なんですかっ…。後で又綱吉君の携帯に登録しますね。」
ニッコリと、綱吉に笑顔を見せる。
(又、雲雀さんに消されると思う…)
心で思うが、又喧嘩になりそうなので思うだけに留め置いた。

「で、何なんすか?俺らが反対しそうな話って。」
ミーティングが始まる雰囲気になっても話が脱線する室内に、獄寺がさくっと、進行を促す。
そういえば、全員集められてのミーティングという事態に全員が、マネージャーであるリボーンに視線を集中させる。

「あぁ、今度新しいメンバー入るからな。」


静かな室内が一瞬凍る程の静けさを帯び、次の瞬間に爆発にも近い叫びがこだました。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ