シリーズ物語

□ようこそ!ボンゴレへ!!2
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「………綱吉?」

「ツナ?何か合ったのか?」

扉に視線が集中し、泣き出した少年に一同はおろおろとする。

「俺っが不甲斐ないからっ皆に迷惑掛けてるんですね。スイマセン。リボーンに言ってメンバー変えてもらいますからっ皆は解散とか脱退しないで下さいっ。」

直ぐにリボーンにっと、後ろを向き走ろうとする綱吉の襟首を抜群の身体能力で全員が阻止をする。素早く、扉を閉め部屋から出ない様に阻止をして、その扉の前で立ち塞がる同い年の二人と、細い腕を掴み前に進ませない一つ上の二人。

「何で、貴方が辞める話になるんですか?」
「君が辞めて僕専属のマネージャーに戻るなら話は別だけど…。」
「フザケンナ!ヒバリっ何で10代目がお前の専属なんだよっ!」
「ツナ話聞いてたよな?」

親友に顔を覗き込まれて、小さく頷く。大きな琥珀からは未だポロポロと涙が溢れて覗き込んだ山本も辛そうに眉を潜める。

「俺居るからこんなグループやってられないって…た、確かに皆の足を引っ張ってるし最初から向いてないのをリボーンが強引に入れた様なモノだからっ。きちんと才能も華もある人を入れた方が…あ、寧ろそっちのほうが良いですよっ!俺一人居なくても全然大丈夫だしっ!そうだディーノさんとか入ったら…っ!」
名案だと言う口を山本が大きくて節がある手で塞ぐ。
「…ソレ以上は駄目だ。」
はっと、目の前の獄寺を見ると自分達の発言が少年を傷つけたと知り真っ青になり、足から崩れる様に扉に体重を預けズルズルと落ちる。
「獄寺君っ?!」
力の抜けた獄寺を助け起こそうとしゃがみ掛けるが、両方から捕まれた腕に動くことが出来ない。
「雲雀さん…骸…?」
右から掴まれた腕には力が籠り、左から掴まれた腕には籠められた力と僅かな震えを伝えて来た。

「っちげーよ、ツナ。逆だって皆ツナが居ないと駄目って言ってたんだぜ?」
「………でも、」
まだ潤む瞳を山本に向ける。
他の三人は、大人しく状況を見つめる。
綱吉がこうなった場合グループ内では山本の言うことを大人しく聴くので、口惜しいが待つしかない。

「考えてみろよ。俺らでココは纏まんねーよ。それに、ツナが居るからこのグループでやるって最初に言ってたろ?…もちろん、俺もツナ居ないと面白くないからな〜。」
ニカッっと笑い、綱吉のさらさらとするネコ毛の前髪を上げる。
「や、山本〜っ俺も山本と一緒で嬉しいよっ」

ボロボロの泣き顔で、山本の一見痩身の割に厚めの胸に飛び付く。『〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?』
声に成らない声で三人が叫ぶ。
確かに、説得役は譲ったが抱きしめる役まで譲ったつもりは無い。
「山本ぉーっ!果てろっコラァ!」
「くふふふふ油断も隙もナイデスネ、バット少年君。」
「山本、咬み殺すよ…。」

三者三用に答えが出た瞬間扉が開き、扉に背を預けていた獄寺は後ろに転がる。
「何時まで扉の前でコントしてんだぁ?さっさと次の仕事の支度しやがれっ!大体俺一人にこのボンクラ共の面倒見させる気か、ツナ?」
顎をあげさっさとしろと言わんばかりに指示を出すが山本の腕の中に収まる綱を見て目を見開く。
動揺は一瞬だった。
「このバカツナがっ!!!」
指で顎を上げながらの間近での叫びに「っ…」と息を飲み込む。
「次の仕事わかってんのか?!スチール有りだぞっ」
ズカズかと室内に入り、黒いハンカチを水で濡らし小さな顔の真ん中に叩きつける。

『素直じゃ無いね。』
と、その姿を見つめながら、他のメンバーは思いつつ準備を始めるのであった。
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