シリーズ物語

□ようこそ!ボンゴレへ!!3
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何時もなら、過密に組まれたスケジュールをこなす午後にメンバー揃って招集がかかる。

小さめの部屋には間を抜かれた丸いテーブルと椅子が数脚。
そこには、異常なまでに顔の整った少年達が座っていた。
「………ダメツナは未だか?」
彼らのマネージャーの黒いスーツ姿の青年は小さく舌打ちして椅子に腰掛ける。
「……まさか、誘拐とかなぁ?」
「10代目は可愛くておられるから…。」

沈黙。


「洒落になりませんよ!こんなせせこましい処に居る場合じゃないですよっ!僕の可愛い綱吉君がどんな変態にっ!」
テーブルを叩きながら立ち上がる骸の椅子に蹴りを入れ「君のじゃないよ。」と、静かに告げる雲雀。
怒りに手を挙げようとする骸を無視して雲雀は手にした携帯を見ながら続ける。
「綱吉ならもう着くよ。連絡来たし…。」
リボーンは片眉を上げ「ほぅ…。」と呟き、脚を組み直す。
しかし、その事実に骸はわなわなと肩を震わせ怒る。
「何で、アヒル君に連絡がっ?まさか、アルコバレーノ貴方携帯料金払って無いんじゃないですよ…っ!?」
骸の美秀ある額に、リボーンが放つペンが一本縦にヒットした。
「アホ…。俺じゃ無くて雲雀にってのは確かに気になるがな…。」
手元にあるペンを指の間でユラユラとさせ口角を上げ雲雀に顔を向ける。
「当たり前でしょ。僕と綱吉は『恋人』なんだから、僕に心配かけまいとする綱吉の心使いだよ。………まぁ、寄越さないなら咬み殺すけどね。」
最後の呟きに全員が納得したが、それでも一人だけ憤怒に立ち上がる。
「だぁれぇがぁ誰と恋人だって言うんでしょうかっ!?」
「『僕』と『綱吉』だって言ってるでしょう…耳までおかしいの?君。」
「おかしいのは貴方でしょっ?綱吉君の恋人なんて、妄想拡げてっ可愛い綱吉君がけがれ
ますっ!」
「けがれるのは、君の変態妄想癖によってでしょ。勝手に綱吉の名前呼ばないでくれる?」

目の前で繰り広げられる、互いを罵る会話にリボーンはやることないから、と聞いてた。
「しかし、アイツラ罵るっても、汚い言葉遣いにはならねぇな。」二人とも育ちが良いの
か躾の為か穏やかでは無いが口調だけを聞くと綺麗なものだ、最近の若者が使う言葉遣いは無いが…
「その口調が返って怖いんすがね。」
と、最近の若者が使う言葉遣いの代表である獄寺は呟く。
いっそのこと汚く罵り合えば此方も止めようがあるが、「これは、ツナが来るの待った方が良いな。」と、リボーンは高みの見物を決め込む。
「はははっ、最初から止める気無いじゃねーか。」
そのリボーンの横に同じ様に高みの見物を決め山本も座る。

目の前の罵りあいがピークに達した瞬間に会議用に設えられた部屋の扉が勢いをつけて開く。
扉の前にいた骸の背にヒットした。
その扉が当たり前のめりになり、雲雀の胸に飛び込む形になる骸をヒョイっとすり抜け前にでる。
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