シリーズ物語

□ようこそ!ボンゴレへ!!
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「ボンゴレさんはいりまーす。」

ざわざわとざわめくスタジオに一瞬静かな空気が流れる。

入り口から入る少年達に注目が集まる。
シャープな美形が入る中…それにそぐわない小さな少年が最後に入る。
ぺこりと頭を丁寧に下げ、皆の長い歩幅に合わせようとパタパタと歩く。

一瞬、静かな空気をほわりと暖かくさせながら進む。

その様子を、端から見ていた軽装の青年が「何で、あの中に…あんな子居るんでしょうかね?」
と、隣にいる女性スタッフに呟く。
「…ん。」
少し顎を上に向けそのスタッフは、「見てればわかるわよ……。」と呟く。

そう、この人気美形集団である「ボンゴレ」は、そこの小さな少年が居なければ成り立たないのである。


東洋の神秘とも言われ、モデルとして数々のショーをこなして来た少年「雲雀恭弥」。
ただ、彼は自分の気に入った事しかしない。
そして、ファンに対しての対応も…極めて冷酷。

イタリアと日本とのハーフの「獄寺隼人」。
まだ、若いが整った顔に若年層の女の子のファンが多い。
しかし、タバコを吸う、気が短く年上に反抗する傾向あり。等問題あり。

過去一切不明の「六道骸」。
オッドアイをもつ美少年で、常に笑顔を湛えているが、彼もヒバリと同様気が向いた仕事しかしない。
そして、同じメンバー内のヒバリと中が悪い。

個性強い中にあり、常に笑顔を絶やさない天然系「山本武」。
スポーツマン特有の爽やかさと180cmを超える長身の持ち主。
一見穏やかに見える彼だが…実は、キレると手がつけられない。


そして、それらの個性の塊のリーダーは若干15歳の身長156cmの一見普通の少年。
特徴的には、人より大きな瞳とほわほわとする色素の薄い髪。双方共、ブラウンというより琥珀のような甘い色。

少々、その個性に囲まれ怯えた様にみえるので小動物。

その、小動物の周りに4人の美少年は、ぴたりと付き離れようとしない。
甲斐甲斐しく、飲み物を持ってきて話し掛ける獄寺に緊張を解させようと笑いかける山本。
少年の手を握る骸に少年の背から肩を抱き今日の台本を見せている雲雀。

例の噂に聞いていた少年達との違いに、そこにいたスタッフは凍りつく。

「あの…スイマセン…。本当に[ボンゴレ]ですか?イヤ、確かに顔はそうなんですが
…。」

小さくこくりと頭を動かし。
そっと、プロデューサーである女は囁く…「今日は、無事に撮影できそうだわ…。」


そう、彼「沢田綱吉」が不在の撮影は…スタッフがストレスで死にそうになるのである。


「おらっ!何時までも緊張シテネーで、さっさと撮ってこい!」
小さな後頭部をめがけて一発の蹴りが炸裂した。
「痛いよっ!リボーン!」
小さな身体は軽く吹っ飛ぶ。
ヨロヨロとなりながら頭を擦る少年は、本当に何処にでも居そうな顔をしていた。

「では、リハから…」
ADの声が掛かると途端に骸から不平の声があがる。
「そんなの僕には必要ないでしょう…?」
カメラテストもあるためリハは、必要のためスタジオが一瞬ピリッとした空気が流れる。
「………まぁ、君じゃ無くても構わないからいいんじゃない?端にでも座ってれば?体力ないんだろうしね。」
骸とは犬猿の仲だと言われる雲雀が冷たく言いステージに向かう。
スタッフも二人に流れる空気に戸惑いプロデューサーの顔を伺う。
しかし、顔色も変えずにプロデューサーである女は腕を組んだまま動こうとはしない。


じゃあ、と進行するために再度声を掛けようとすると、先に舞台に立っていた綱吉がトコトコと降りて来て骸の前に立ち軽く握った拳で自分より頭一つ以上大きな骸の頭をパコッと軽く叩いた。
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